新着情報
光和丸 合いドック
2024年7月16日~7月19日
株式会社高原造船所(広島県尾道市)
【主な工事内容】
・船体掃除、塗装
・ホールド・ハッチカバーメンテナンス、消耗部品交換
・機関メンテナンス 他
広島県尾道市の「高原造船所」に入渠しました。
今回は主に船体の塗装と設備の整備を行う合いドックです。
工事の模様を簡単にご紹介します。
15ヶ月間の忙しい航海を無事終えて、尾道の高原造船所に入渠しました。
船体には日々の航海の大変さを物語る汚れや傷がありました。
(都合により写真がございません)
『船体掃除、塗装』
前回のドックからの汚れやサビを綺麗にして新たに塗装をします。
『ホールド・ハッチカバー メンテナンス』
大切な積み荷を入れるカーゴホールド(船倉)と雨風を防ぐハッチカバーのメンテナンスを行いました。
カーゴホールドは綺麗な状態であったので掃除を乗組員で行いました。
ハッチカバーは折りたたむ際のヒンジとなる部分を数か所交換しました。
『乗組員による船体整備』
日頃の運航中には出来ない場所を乗組員さんが整備をしていきます。
通常ロープが巻かれているローラーの内側を塗装します。
油圧配管もカバーを外して状態点検します。腐食等があれば整備をします。
『機関メンテナンス』
今回は吸排気弁の摺合せ、消耗部品の交換などのエンジン整備を行いました。
専門業者様が手際よく整備をしてくれます。
『ステンレスコート テスト』
https://www.unitec-ltd.jp/image_product/pdf/catalog_stenlesscoat.pdf
鉄を錆びにくくする特殊な塗料。塗るだけでステンレスの被膜を形成するそうです。
今回交換したロープガードに試験塗装します。
新たなパイプにサビチェンジ(サビ止め塗料)を塗布し黒色被膜で腐食を止める。(左写真)
乾燥させた後にステンレスコートを塗装しステンレス被膜を形成させます。(右写真)
経過観察し、ステンレス被膜による防錆効果を検証していきます。
効果が確認され他所にも展開できれば、船員労務やメンテナンスコストの削減が可能となり、船価値の向上に繋がります。
『出渠、出港』
すべての整備を終えて、ドックに注水。出渠準備完了。
梅雨明け間近な晴天の朝、整備した箇所の試運転を行い良好であることを確認しました。
これから新たな1年間の安全航海を願い、出港します。
輝水三号 合いドック
2024年5月20日~5月23日
有限会社下津井造船所(岡山県倉敷市)
http://shimotsuizousensyo.co.jp/
【主な工事内容】
・船体塗装、プロペラ防汚塗装
・燃料タンク開放掃除
・エンジン自主整備、消耗品交換
・船底弁、主海水船外排出弁交換
・主配電盤ブレーカー交換
輝水号に引き続き、輝水三号が「㈲下津井造船所」に入渠しました。
船台の位置を慎重に合わせ、無事ドックへ上架しました。
『船体掃除、塗装』
1年間の汚れを念入りに落とし、丁寧に船体の塗装をしてもらいました。
船底は綺麗な状態でした。プロペラに付着物が見られ、今年は防汚塗装で対策します。
プロペラに汚れなどがあるとエンジンの負荷となり、船体の振動や燃費悪化の原因となります。
『燃料タンク開放掃除』
密閉されたタンク内に普段は燃料が入っており、内部を見ることは出来ません。
ゴミなどが入る可能性もあるので、タンクのハッチを外して内部点検をしました。
復旧時はゴムパッキンも交換し、燃料がタンクから漏れ出す心配もありません。
『船底弁、主海水船外弁交換』
エンジンに冷却用海水を取り込む船底弁、排出する船外弁。
万一の時に弁が有効でないと浸水の危険もあるので、弁を交換しました。
『船体整備、整理整頓』
日頃出来ないサビ落としや倉庫の整理整頓。
自分たちで出来ることは自分たちで整備しました。
主配電盤のブレーカースイッチに接触不良があったので、専門業者に交換をしてもらいました。
『下架、出港』
整備したエンジン、放水銃などの試運転を入念に行い、母港である水島港へ戻ります。
これからも安心安全な作業を継続してまいります。
輝水号 合いドック
2024年5月7日~5月18日有限会社下津井造船所(岡山県倉敷市)
http://shimotsuizousensyo.co.jp/
【主な工事内容】
・船体塗装
・エンジン分解整備
・倉庫ハッチ蓋の交換
・船首ロープ、消耗部品交換 他
岡山県倉敷市の「㈲下津井造船所」に入渠しました。
『入港、上渠』
一年ぶりのドック。大きな問題もなく下津井造船所に入港しました。
船底塗装状態は非常に良く、昨年のドック作業の結果が確認出来ました。
毎年整備をしてくださっている下津井造船所さんに感謝です。
『船体掃除、塗装』
1年間のサビや汚れを念入りに落とし、丁寧に船体の塗装をしてもらいました。
『エンジン分解整備』
4年に一度のエンジンの大掛かりな分解整備を専門業者様により行います。
船を動かす動力源のエンジンを全てバラバラに分解し、不良部品や消耗品を新品に交換します。
安全安心な運航の為に、大切な作業となります。
『倉庫ハッチ蓋の交換』
船の倉庫は前後に2箇所あり、波を被っても海水が入ってこないように頑丈な蓋をしています。
経年劣化で腐食が見られ、このまま放置すると浸水の危険性もあるので蓋を交換しました。
『下架、出港』
念入りな試運転を行い、母港である水島港へ戻ります。
綺麗になった船体と整備されたエンジン。これからも安心安全な作業を継続してまいります。
第十二興洋丸 定期検査ドック
2024年3月25日~4月2日
株式会社三和ドック(広島県尾道市)
https://www.sanwadock.co.jp/
【主な工事内容】
・国土交通省(JG)定期検査受験
・船体塗装
・機関開放整備
・荷役設備整備、荷役ポンプ電動機開放整備
・居住環境整備 他
広島県尾道市因島の三和ドックに入渠しました。
5年に一度の定期検査ドックで、国土交通省の検査官立会のもと、船の安全性と健全性を確認します。
建造から19年を経た第十二興洋丸、年数の割に状態はいいのですが、大きく手を入れなければいけない箇所もあります。
『船体掃除、塗装』
1年間の汚れを念入りに落とし、丁寧に船体の塗装をしてもらいました。
前回試験塗装をした結果も良好だったので、今回は新しいペンキを塗装ました。
船体の汚れを特別な高圧洗浄機で落としていきます。綺麗になった船体に塗料を塗り重ねていきます。
近年、海水温度の上昇や水質の変化もあり、船体へ貝類などの付着物も多くスピードや燃費へ悪影響を及ぼしています。
船舶も環境負荷を下げるため、新たな製品を積極的に採用しCo2の削減に取り組んでいます。
定期検査なので、プロペラも軸から抜き出して検査を受けます。
『機関開放整備』
今回は定期検査ですので、機関(エンジン)を開放し、細かな部品まで点検して整備を行います。
船の心臓と言えるメインエンジンと発電機エンジン及び周辺機器を整備していきます。
毎日休みなく動いてくれているエンジン、良い状態で次のドックまで運転出来るように整備します。
『荷役設備整備、荷役ポンプ電動機開放整備』
エンジンと共にタンカーの心臓部と言える荷役ポンプ。
トラブルがあると荷役に支障をきたすので、入渠中に出来る限り整備をしていきます。
今回はポンプ駆動モーターの整備。専門業者で分解し、内部のベアリングなどを交換します。
念入りに試運転をして完了。これで安心して荷役が行なえます。
『居住環境整備、他』
船員さんは船が家のようなもの。少しでも快適に過ごしてもらうために、できる限りの改善をします。
今回の目玉はトイレの改修。
揺れる船内で和式トイレは不安定極まりない。今回は洋式トイレ(ウオッシュレット付き)に改修しました。
足腰が不安になってきたベテラン船員さんにも安心です。
『出渠』
各部整備を終えてドックから出す(出渠と言う)朝。
ドックに海水を張り込み、海路平安 布刈丸(タグボート)にサポートされながら出渠です。
『出港』
整備した機器の試運転と航海機器の調整も無事終え、明日からの荷役に向けて尾道因島を出港します。
海路平安、三和ドックと興洋海運の願いです。ご安全に!
高瀬舟の模様寄贈
2020年5月
弊社 代表取締役が地元の加瀬野久志氏に作成を依頼した高瀬舟の1/10模型を倉敷市に寄贈しました。
高瀬舟とは、江戸時代初期から川を利用した物流の手段として用いられた川船のことで、
江戸時代から大正時代のころまで各地の川で広く運航されていました。
玉島港は北前船(千石船)の寄港地で、江戸時代中期に最も繁栄し、北国の物資を満載した北前船で賑わったそうです。
高瀬舟は高梁川水系を、下りは米、煙草、鉄、銅などを、上りは塩、ニシン粕などを運搬していました。
倉敷市が2018年に北前船の寄港地として日本遺産に認定されたのを受け、「北前船と共に玉島の発展を支えた高瀬舟を多くの人に知ってもらいたい」との思いで製作と寄贈をしました。
高瀬舟の模型は、倉敷市玉島市民交流センターに展示され、隣には北前船の模型も展示されています。
日本の沿海から玉島港に発着した北前船、そして高梁川を忙しく往来する高瀬舟。
当時の玉島港の賑わいに思いを馳せます。
なお、弊社最寄り駅の新倉敷駅待合い広場にも北前船(千石船)の模型が展示されています。
お近くにお越しの際は、ぜひご覧ください。
*加瀬野久志(クラフト加瀬野) http://ofune2.la.coocan.jp/kaseno/index.html
*倉敷市玉島市民交流センター https://www.tamashima-cec.jp/